朝日歌壇は世相を詠む

 何も無いこのこお一日が大切な日々であるのを知るウクライナ筑紫野市 二宮正博)⇒馬場あき子、永田和宏共選
胸を衝く戦禍伝える記事の中チューリップ買う市民の姿(東京都 水原由美)⇒馬場あき子、佐佐木幸綱共選:

ウクライナなを遠くて温い部屋にいて詠んでいいのかという思いは ある(長崎市 里中和子)⇒佐佐木幸綱選:

<爆撃に怪我した妊婦を兵士らが運ぶ二人の命を運ぶ(観音寺市 篠原俊則)⇒佐佐木幸綱選:

<壁の無きキエフのアパート部屋ごとに暮らしがあった命があった(観音寺市 篠原俊則)⇒高野公彦選:

<美しき名キエフオデッサマリウポリ覚えてしまう悲しみと共に(戸田市 大沢マサ子)>
<侵略のニュースの解説専門家は「落としどころ」と幾度も言えり(観音寺市 篠原俊則)⇒永田和宏

今週は、ウクライナを詠っている歌が沢山あった。

ポーランドナチスの非情知る故に避難民らに優しくなれる船橋市 佐佐木美禰子)>⇒高野公彦選

 

 ずいぶん昔に、ポーランドのクラコフに旅した。アウシュビッツのすぐ近くと知っって行ってきた。うえの、佐佐木さんの歌が目についた。ほんとうは、ウクライナの歌ではなくて自然を詠う歌を読みたいものだ。

気になる本『異端の人間学―佐藤 優・五木寛之』(幻冬舎)について

ロシア軍のウクライナ侵攻から1ケ月が過ぎてしまった。事態は悪化している。日本の私は幾ばくかのい支援をするだけで安穏としている。

 『異端の人間学―佐藤 優・五木寛之』という本の広告がでていた。また、。また幻冬舎である。この本は、佐藤 優・五木寛之という対談本のようだ。「緊急重版!予見的ロシア対談」というキャッチフレーズが載っていた。
 記憶と記録のために書いておいた。本屋で見てきたい。

朝日俳壇と歌壇を読んだ

まず、俳壇から
<一歳と八十路が遊歩山笑う(横浜市 御殿兼伍)>⇒大串章選:
 ⇒大串さんのコメントはこうだ。<「一歳と八十路」が微笑ましい。「山笑う」が効いている。> 調べると、「山笑う」は春の季語。夏は、「山滴る」、秋は、「山粧う」、冬の季語は「山眠る」なんだって。

<暗やみに余熱のような梅の花厚木市 北村純一)>⇒高山れおな選:⇒このう句も難しいね。「余熱のような」という比喩が非凡だと思う。
<汀子逝く花鳥の嘆き涅槃西風(和歌山県日高町 市ノ瀬翔子)>⇒長谷川櫂選:朝日俳壇の選者だった稲畑汀子さんが、辞任して間もなくお亡くなりになった。稲畑さんは虚子の親族で、「あららぎ」を継承してきた人なんだと知った。金子兜太とちがって、花鳥風月と季語を大事にして伝統を墨守してきたんだという。
 それにしても、俳句の短い切り口(17文字)は難しいね。

 今週の俳壇も常連の入選者が沢山いる。朝日俳壇グループがいるんだと思う。

<「侵攻」や「開戦」の字が急速に幅を利かせて紙面蒼ざむ(東京都 十亀弘史)>
<歩けなくなれるこの日のためにこそ歌詠み来しやありがとう歌(和泉市 長尾幹也)>
<歌壇には松田家の暮しあり一人暮しに詠めない暮し(福山市 小林加悦)>⇒佐佐木幸綱選:
⇒佐佐木選から、三首も引いた。十亀さんも常連の入選者だ。和泉市の長尾さん、「歩けなくなれる」とはどういうことなのか。「あるけなくなる」ではないのだ。長尾さんは、不治の病と共に暮らしている方だ。

<大人になるのイヤだと言ったら友笑う私たちニ十歳大人ゼロ歳(富山市 松田わこ)⇒高野公彦、馬場あき子共選: 松田さん、二十歳になったのだ。今後、どんな歌を詠んでいくのか、興味がある。
<春という卵身ごもっているような雨水(うすい)の空の雲のまろみよ(川越市 津村みゆき)>⇒高野公彦選: すごい比喩だね。

<傷兵のために輸血の準備までしたとの記事に朝が冷えきる(東京都 十亀弘史)>
<洋服を着て抱っこされ散歩する犬の哀しさ人の幸せ(熊谷市 飯島 悟)>⇒永田和宏選: ⇒永田さんの選評はこうだ。「十亀さん、まだ大丈夫と思っていた頃、既に臨戦態勢に入っていた当時国の覚悟を知る。」そうなんだ。驚いた。ロシアのウクライナ侵攻は、2月24日だったから、十亀さんのこの歌は、その前に詠まれているんだ。

<心なしか人出少なき公園の鹿の目濡れて春の足音(多摩市 谷澤紀男)>
<道に出て翁の帰宅を待っている庭に離し飼いされている山羊(前橋市 荻原葉月)>⇒馬場あき子選: 馬橋には、山羊を放し飼いしている人がいるんだ。「忠犬ハチ公」ならぬ、「御利巧山羊さん」だね。

 今週は、以下の歌を射選んだ。

洋服を着て抱っこされ散歩する犬の哀しさ人の幸せ熊谷市 飯島 悟)
 こういう風景をみると、犬への虐待なんだと思っていた。

重粒子線、陽子線治療が保険適用に!

 「東京肝臓のひろば」(第246号、令和4年2月号)Gは送られてきた。その雑誌に、標記「重粒子線、陽子線治療が保険適用に!」の記事が載っていた。これは画期的なニュースだ。何時きまったのだろう。7年位前に。合気道のお世話になっている前立腺がんの治療のために、千葉の放射線医学総合研究所重粒子線治療を受けたと聞いた。保険適用がないので、300万円以上の医療費を要したと聞いた。そのご、件の師範はお元気で合気道をの指導を続けている。私よりも5歳くらい年長なので既に80歳を超えているだろう。その頃、私はC型肝炎のキャリアであったので、もし肝癌にな手も重粒子線治療を受けられるだろうかと考えていた。ということで、子に記事には興味を惹かれた。概要を記しておきたい。

 2022年4月から、肝がん、管内胆管がんなどにたいする粒子線治療(重粒子線治療、陽子線治療)の保険適用がスタートする。対象は大型の肝細胞癌で、切除ができない場合に限られるようだ。この治療の出来る施設は限られているようだ。関東地区のみを記述する。
重粒子
量子科学技術研究開発機構QST病院(旧放医研病院)
神奈川県立がんセンター 重粒子線治療施設
群大病院 重粒子線医学研究センター

 

『犬婿入り』(多和田葉子)を読んだ

 新聞の連載小説を読み通したことが私はない。新聞小説というものは昔からある。漱石朝日新聞の社員になり新聞小説の書き手だった。それはともかく、朝って,2022年2月1日(火)から、多和田葉子さんが朝日新聞に連載小説を開始するんだという。それで、今度は読んでみたい。そこで、多和田さんの芥川賞受賞作『犬婿入り』を稲城図書館から借りてきた。この小説は、雑誌「群像」(1992年12月号)に掲載されたものだ。借りてきた単行本には、『ペルソナ』という小説の2編が入っている。
 『犬婿入り』を読んでみた。至極短いものなので1時間で読めた。訳がわからんお話だ。チョット気持ち悪い筋立てだ。何を言いたいのかもわからない。この小説が、受賞した折の、選考者のコメントを読んでみたい。文藝春秋のバックナンバーは読めないだろうか。文体も冗長である。いまはドイツに在住の多和田さんもこの頃は日本にいたんだろうか。多和田さんは、1960年の東京生まれで、早稲田大学第一文学部を経て、ハンブルグ大学修士課程修了。1982年よりハンブルグ在住と経歴にあった。ということは、芥川賞を受賞した時も、ハンブルグにいたんだ。早稲田の第一文学部卒で、ハンブルグ大学留学だからドイツ文学専攻科と思ったら、露文卒だという。ということは、ロシア語もドイツ語もできるんだろう。1991年、『かかとを失くして』で、群像新人文学賞受賞。1992年、『三人関係』で三島賞野間文芸新人賞の候補、『ペルソナ』が、芥川賞の候補(『群像』1992年6月号)になり、1993年に『犬婿入り』で芥川賞を受賞した。順調な作家生活に入ったひとなんだ。してみると、私には訳の分からないこの『犬婿入り』も随分評価がたかかったんだろう。

「令和の禁酒令の」の先、が語るものは?

 本日は、5月5日以来の25日振りに合気道の稽古に参加した。そのあとで、仲間と餃子屋さんで飲んできた。生ビール中ジョッキ2杯、獺祭という日本酒を一杯(150㏄)だった。酔いはあまり感じなかったが、それなりに楽しい時間だった。昨日までの3日間は、赤ワイン(アルコール14度)を200㏄くらい毎日のんでいる。これでは大酒家ではないとしてもアルコール依存であることには違いない。
 「人生の寂しさと短さを酒なしで味わおうと思った」
 町田 康さんが、「しらふで生きる」という本で上のように書いているのを読んで痛く感心した。真似してしばらく禁酒したりした。節酒ならと「ひとり酒」を止めることにしたが、これも長くは続けられずに隠れての一人ワイン、焼酎も飲んだりしている。思い切りの悪い男である。
 さて、本日の朝日新聞の「耕論」では、<「令和の禁酒令の」の先>という特集を組んでいる。「飲むか否かは自分で決める」(町田 康さん)、「不平等という副作用」(岡本 勝さん、広島大学名誉教授)、「人と人をつなぐ酒場 再び」(尾畑留美子さん、「真野鶴」五代目蔵元)のお三方へのインタビュー記事だ。
 岡本さんは、「禁酒法」の専門家なので、そちらの観点かの解説だ。尾畑さんは、蔵元だから、「酒はもともと神とつながるツールでした」なんて冒頭に言っている。

(更新予定)

注目する本『新型コロナの科学-パンデミック、そして共生への未来へ(中公新書)』のこと

 注目する本『新型コロナの科学-パンデミック、そして共生への未来へ(中公新書)』

 

 黒木登志夫さんがまた本を出した。『新型コロナの科学-パンデミック、そして共生への未来へ(中公新書)』だ。黒木さんは、癌研究の基礎研究者だ。いまから30年~40年くらい前に、日本癌学会等の学会や研究会で講演を何度も聞いたことがある。堅実な研究者である一方で、啓蒙書をたくさん書いている。もう、80代の後半になっておられるだろう。先日、書店でみてきたが、かなり充実した本と思う。図書館でリクエストしたい。
 それと、広告で気になる本があったので、記憶と記録にと止めたい。
 (1)『文章術のベストセラー100冊』のポイントを1冊にまとめてみた。(藤吉豊、小川真理子)(日経 1650円)
 これは、読む価値があるだろうか?随分まえに、本田勝一郎さんという新聞記者の書いた『日本語作文の技術』という本を読んだことがある。この本は、役に立った。わかりやすくするために、5W1Hを明確にすること。表現を形容するときには、長い形容から順に使用するというものだった。

 (2)『2040年の未来予測』(成毛 眞) 1870円、これも日経だ。